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明日もきっといい天気ゲームブックのリプレイ日記です。
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火吹山の魔法使い(扶桑社版) 9
[ ファイティング・ファンタジー ]
なんかどっと疲れた気がするなあ。
部屋を出た俺は、溜息をつきつつ、奥へ向かって歩き出した。 ほどなく通路の突き当りにたどり着く。東西に分かれた道が見えるんだが、行く手を阻むように、鉄の落とし格子が通路を遮っていた。 かなり頑丈で、体当たりしてもびくともしない。 どうすっかなーと辺りを見回すと、右側の壁に梃子みたいなもんがついているのに気がついた。雰囲気からして、これが落とし格子の上げ下げに関係していそうだ。 ん? 待てよ、助けたじいさんが何か言ってなかったか? 通路の突き当りにある鉄の門を開けるには、前の壁の右側の梃子を引かないといけない。 だったか? 確かに壁についた梃子は二つある。 この右側のを引けばいいってことだな。 俺は慎重に右の梃子を引いてみた。 鉄の格子は、ぎしぎしと音をたてながら、上へと上がっていく。 よしよし。 じいさんの助言を聞いといてよかったぜ。 左の梃子を引いていたらどうなっていたことやら。 さてと、こっから先は西へ向かうか、東へ向かうか。 俺は目を凝らして、左右に広がる通路を眺めた。つっても、薄暗くて先なんてよくわかんねえけどな。 とりあえず、東に進むことにして、俺は歩き出した。
火吹山の魔法使い(扶桑社版) 8
[ ファイティング・ファンタジー ]
あの盾を置いてきたのは失敗だったかなあ。
後でなんか厄介なことにならないかなあ。 そんなことをうだうだを思いつつ、俺は歩いていた。 すぐ前―東側の壁に扉が見える。今までとは違い金属製の扉だ。中から、なんともいえないうめき声やら、何かを叩く音やら聞こえてくる。 あの声は、どう考えても痛めつけられている―つうか、拷問かなんかされている風な感じだ。 さっきのじいさんみたいに、冒険者とかだったら、放っておけない気がするし。 えーい、覚悟を決めて扉を開けてみるか。ここに入ってから、こればっかりだな、俺。 幸い鍵はかかっておらず、あっさりと扉は開いた。 うわー、これって典型的な拷問部屋ってやつか? 痛そうな器具とかいっぱいあるぞ。どんなふうに使うかなんて、想像もしたくねえ。 部屋の中には、ゴブリンが2匹いて、天井から吊り下げられたドワーフをいたぶっている最中だった。 俺が入ったすぐあと―助ける間もなく、ドワーフは変な悲鳴を上げ、ぐったりと動かなくなってしまった。ゴブリンたちは、残念そうなわめき声を上げると、ドワーフが動かなくなったのは俺のせいだといわんばかりに、こちらに振り返り、睨みつけてくる。 そのことにもちょっとむかついたし、ドワーフはもう息がないのかもしれないが、このまま見捨てて部屋を出るっていうのも寝覚めが悪い気がした。だめかもしれないが、ひょっとするとまだ助かるかもしれないだろ? なにより、俺はまったく無抵抗のやつをいたぶるってのは好きじゃないんだ。 無言で剣を抜き構えると、ゴブリンは意味のない言葉を吐きながら飛び掛ってきた。 で、いつものごとく戦闘開始だ。 今回はゴブリンが2匹。順番に戦うことのなる。 第一のゴブリンは、技術点;5点、体力点:5点。 第二のゴブリンは、技術点:5点、体力点:6点。 俺はといえば、技術点:10点、体力点;23点だな。 無傷でゴブリンを倒すことが出来た俺は、ドワーフに近づいた。 縄を切って床に下ろすが、すでに事切れていたようだ。軽く黙祷し、俺は、ゴブリンの死体の方を向く。いささか浅ましいと思わないでもないが、何か役立つものがないかと、ポケットを探ってみた。 片方のゴブリンの服から、甘い匂いのするチーズが出てくる。 こういう場所で、食べ物を入手するということは滅多にない。ありがたく頂戴することにして、俺はそれをザックの中にしまった。 こういうことをするたびに、やっぱ冒険者って悪い職業なんだなあと実感しちまう。 自分で言うのも情けないけどな。
火吹山の魔法使い(扶桑社版) 7
[ ファイティング・ファンタジー ]
じいさんと別れて先へ進もうとした俺は、東側の壁にもうひとつ扉があることに気がついた。
何の物音もしないが、何かあるかもしれないし、とりあえず開けてみようと思ったけど、しっかり鍵がかかっているみたいだ。 うーん、ムリヤリこじ開けるか、体当たりするか。 どうにかならないかと俺は、未練がましく鍵穴をいじってみるが、無駄な努力だったようだ。 やはり、ここは実力行使ということで、力技で押し切ってしまうことにする。 運が良ければ扉は開くだろう。 つうことで、運試し。なんかこればっかりだな。 現在の技術点は9。サイコロの目は8。運試しは成功だ。 部屋の中には、いろんな武器が置いてあった。 武器庫か何かかな。使えそうなものはあんまりないなあ。 りっぱそうな盾がひとつだけあるが、重いから何かひとつ持ち物を置いていかないといけないだろう。 どうすっかなあ。 しばらく悩んだが、結局俺は、盾は置いていくことにした。
火吹山の魔法使い(扶桑社版) 6
[ ファイティング・ファンタジー ]
いくらなんでも、1回読んだだけで消えちまうなんてひどいよなあ。
部屋を出た俺は、未だにそのことで文句を言いながらも、先を急いでいた。 しばらく歩くと、道は三叉路になっている。 さーて、東と西、どっちへ進むかな。ちなみにどっちも怪しそうだ。 そうだな、東へ行ってみるか。 ん? また分かれ道に出くわしたな。今度は北と東だ。 北へ向かって進んでみることにしよう。ま、適当だな。 北への道をしばらく進むと、東側の壁にさっきとは違うえらく使い込まれた扉があるのが見えた。 しかも、中から人の泣き声みたいなものがする。助けを求めているのか罠なのか。 扉には鍵がかかっているようだから、閉じ込められているという可能性もあるな。人助けっつうのも柄じゃないが、好奇心の方が抑えられねえしな。 残念ながら鍵なんて持ってないから、体当たりするしかない。 というわけで、ここで運試しだ。 俺の技術点は10。サイコロ2個の目が同じかそれ以下なら運試し成功だ。 幸い、サイコロの目は8。どうやら扉は開けそうだ。 扉を開いたとたん、オークたちがいた部屋よりもすさまじい異臭が俺の鼻を直撃した。 なんというか、すさまじいことになってるぞ。 床には骨が散らばっているし、得体の知れない薄茶色の物体は腐った植物か何かか? 床もなんだかぬるぬるしているし。 だけど。 一番異様だったのは、部屋の中にいた老人だった。 服がぼろぼろなのは閉じ込められていたなら仕方ないとして、木の棒を振り回してこっちに突進しようとしてるぞ。 力がなさそうだし、木の棒で殴られたってどうってことなさそうだが、必死になってる人間てのは思いがけない力を出すこともあるからなあ。 とりあえず、ここは宥めて落ち着かせてみよう。 「じいさん、あんたはもう自由なんだぞ!」 振り回す木の棒に当たらないようにしながら、俺は大声で叫んだ。 その声が聞こえたのか、ふいに老人が静かになった。と思ったら床に座り込んで、おいおいと泣き出しちまった。 うわー、どうするよ。 結局、老人が落ち着くまで付き合う羽目になっちまった。 しかも、身の上話まで聞くことに。 このじいさんは、どうやら俺と同じ冒険者だったらしい。この山にあるというお宝目当てに入り込み、途中でオークに捕まったみたいだ。 普通なら殺されるところを、何を思ったのか、なぐさみにここに放り込まれちまったんだという。 気の毒としかいいようがないが、俺だって一歩間違えればじいさんと同じ運命だ。 一緒に冒険を続けるかどうか聞いてみたが、やはり外に出たいという。当然だよな。閉じ込められて数年たつっていうんだ。 世間がどうなったか、見てみたいよなあ。 別れ際に、じいさんが教えてくれたところによると。 渡し守にあったら下手に出ろ。 通路の突き当りにある鉄の門を開けるには、前の壁の右側のてこを引かないといけない。 ボート小屋の鍵は一人の男と飼い犬が守ってる。 だそうだ。 役立ちそうでわけがわかんねえ助言だが、ありがたく受け取っておくことにしよう。 じいさんは、何度もお礼を言うと、俺が来た方の道を歩きはじめた。 もうオークに掴まんじゃねえぞ。 ところで渡し守ってなんだ? ボート小屋が云々言ってたから、山んなかに川でもあるのか? それとも単なるたとえか? まだまだ謎は多そうだよなあ。 つうか、この山の中ってどうなってんだ?
火吹山の魔法使い(扶桑社版) 5
[ ファイティング・ファンタジー ]
部屋を出て歩き始めると、変な声が聞こえてきた。
声っつうより、唸り声か? なんか節みたいなものがついてる気がするぞ。 まさかと思うが、これは歌なのか? 俺も音痴な方だが、これはそれを上回ってる。 かなりの破壊力のある歌だが、歌っている本人はえらく気持ちよさそうだ。 どうする? このどう考えても騒音としか思えない歌声の持ち主が誰なのか、確かめてみるべきか。 どうせ碌なことにならないだろうって予感はしてるんだが、いったいどうやったらこれほどまでに破壊的に歌えるのか知りたいような気もする。 で、結局迷って時間を潰すくらいならと、俺は、思い切って扉を開けてみることにした。 まあ、あれだな。 冒険者は、貪欲なくらい好奇心が強いってことだよな。 部屋の中は、はっきり言って汚かった。 さっき見た部屋も相当なもんだったが、こっちはそれに加えてやたらと酒臭い。 部屋の中央に置かれたテーブルを囲んでいる、疣だらけの化け物―見た感じオークだな―が酒盛りの真っ最中なせいだろう。 テーブルの上には、ラベルも何もない酒の瓶が数本。テーブルの下には、さっきと同じように小さな木の箱があった。 あの中にも、何かが入っているのかもしれない。値打ちもんだったらラッキーなんだけどな。 それとも、2度あることは3度あるっつうことで、また小動物とか飛び出してくるのかもしれない。 おっと、そんなことを考えている暇はなかった。 いつのまにか奴らの騒音のような歌は止んでいて、いきなり入ってきた侵入者の俺を凝視しているじゃないか。 できれば戦闘は避けたいなーと思っていた俺は、脅しの意味もこめて、剣を抜いた。 これでひいてくれれば、無駄な体力を使わなくてすむんだが。 だが、そんな甘い展開にはやっぱりならなくて、酔っていてふらふらにもかかわらず、彼らは剣を手に立ち上がった。 そりゃそうだよなー。 奴らだって、不法侵入者を見逃したり、不法侵入者から逃げ出したりなんて、するはずがないよなー。 一応、この場所を守るってのが仕事なんだろうし。 仕方ねえ、相手は二人とはいえ、酔っている。 気合を入れて頑張るしかないか。 さーてと、ここで、またもや戦闘だ。 こんな戦闘シーン、考えてみればあまり面白くねえかもしれないけど、一応戦いの記録だと思って、ガマンしてくれ。見たくない奴は、さらっと流してくれればいいからな。 今の俺の状態はこれ。 技術:10 体力:23 運:9 敵さんの方はは、オークその1が 技術:5 体力:4 オークその2が 技術:5 体力:5 ただし、今回は、相手が酔っているため、俺の攻撃回ごとにサイコロに+1加えることができる。 相手が酔っていたおかげってのもあるけど、とりあえず、怪我もせずに相手を倒すことが出来た。 ふーやれやれだな。 血で汚れた剣を、部屋にあった布団でキレイにすると、俺は最初から気になっていた例の木箱を手にとった。 箱には真鍮で出来た名札がついていて、「ファリーゴ・ディ・マジロ」て書いてある。 聞き覚えのない名前だなあ。 オークのどっちかの名前ってわけでもなさそうだし。そのそも人の名前なのか、物の名前なのか、はたまた何かの暗号なのかも、さっぱりわからねえ。 ここに住んでいるっつう、魔法使いに関係あんのかな。 とりあえず、開けてみれば何かわかるだろ。 蛇とかネズミとかが出てこないことを祈っておこう。 そう思いつつ、おっかなびっくりで箱を開いた俺だったが、予想に反して入っていたのは、革装丁の小さな本だった。 俺でも読める文字で書いてある。 助かったぜ。古代文字だとか、魔法使いが使うような、わけわかんねえ文字だったら、理解できないからな。 えーと、なになに? 「龍火の作り方と投じ方」 お、おい。これって、ひょっとしてレアアイテムなんじゃないか? つうか、冒険初めてまだ少ししか立ってないってのに、いきなりお宝っぽいものを引き当てしまって大丈夫なのか!? まさか、「開いてびっくり、実は贋物だった」ってオチはないよな。 ……いや、大丈夫だ。どうやら本物っぽい。 時間を気にしながらも、俺は真剣に本を読み始めた。 で、ファリーゴ・ディ・マジロが人の名前だってこと。 邪悪なドラゴンと戦うための龍火の呪文を完成させたのはいいが、研究に時間がかかりすぎて年を取ってしまい、結局自分では使えなかったこと。 悪用を恐れて、火吹山の奥に隠したことなんかがわかった。 オークたちは、書かれている文字が読めなかったんで、ほったらかしてたんだろうな。もったいねー。 本の最後のページには、その呪文が書かれていた。 何かの役に立つに違いねえ。 俺は、覚えるつもりでそれを口にしてみた。 するってえと、最後の一言を口にしたとたん、ページが光だし、あっという間に文字が消えてしまった。 おいおいおいおい! ちょっとまってくれよ! いくら記憶力がいい俺でも、一回で覚えられるかどうか、わかんねえよ! せめて3回は口にさせてくれよ! そんな叫び声はもちろん届くはずもなく、みるみるうちに、本に書かれていた文字は全て消え去ってしまった。 くそ〜。 エキル エリフ エカム エリフ エリフ エリフ ディ マジオ 確か、こうだった気がする。 いや、きっとこういう呪文だったはずだ。 もし現実に龍と対峙したとき、呪文を間違ったらこんがり丸焼けなのか? 不安だー!
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