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2010.08.13 Friday  | - | - | 

火吹山の魔法使い(扶桑社版) 1

俺の名前はウォルド。
職業はしがない冒険者だ。
有名でもなければ、売れ筋って訳でもない。
冒険者になって、いつか一攫千金をあててやろうと思いつつ、その他大勢の中に埋もれているっていうのが、今の現状だな。
で、いつまでもこのままだと、将来的にもいろいろとやばいなーと思っていたところ、ある噂を聞いたんだ。
ほら、俺もそろそろ30に手が届くし、せこい仕事ばかりじゃ金は貯まんねえし、なによりやっぱり「有名になる!」ってのが、昔からの夢だったしさ。
それが叶うかもしれないっていう話を聞いたら、多少の危険があったとしても、やってみる価値はあるかもって思うだろ?

で、その噂ってのは、火吹山に住む魔法使いのことだ。
山のふもとにある村の連中の話によると、魔法使いはたんまりとお宝を溜め込んでいるらしい。
しかも、数多くの冒険者がお宝を目指して山に入ったが、帰ってきたのはごくわずか。そいつらは皆二度と戻りたいとは言わなかったらしい。
……どこまでが本当かは知らないけどな。
まあ、俺も一応冒険者の端くれだし、逃げ足が速いのだけが自慢だから、なんとかなるだろう……たぶん。
あと、いささか心もとない情報だが、魔法使いの宝は、錠前が3つついた箱に収められているという話もあった。鍵は怪物によって守られているらしい。
しかし、なんだな。
わざわざ自分が溜め込んだ宝を、そうやってややこしい方法で守らせるっていうのも性格悪いよな。それを横取りしようとする俺たちも俺たちだけど。

一通り村人たちから話を聞き、装備を整えた俺は、いざ火吹山へと出発することにした。
村の連中が総出で見送ってくれる。
嬉しいけど、みんな暇だなー。
だけど、女たちが、皆涙ぐんでいるのが気になるんだよな。
まるで、もう俺が二度と帰ってこないと思ってるみたいじゃないか。
男たちの目にも、哀れみのような、同情のようなものを感じる……。
いやいや、気のせいだ。気のせいに違いない。気のせいということにしておこう。

俺は皆に礼を言うと、火吹山への道を歩き始めた。


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2005.12.22 Thursday 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | 

次は、『火吹山の魔法使い』予定してます

次のリプレイ日記は、これを予定しています。
どういう形態で日記を書こうか、いろいろ思案中。
恥ずかしいけれど、やはり一人称?
とりあえず、今回は「自分ルール」はなしの方向で行きます。 死んだら、素直に申告するので、生温かい目で見守ってくださいませ(笑)

2005.12.21 Wednesday 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | 

送り雛は瑠璃色の(創土社版) 後日談〜プレイ終了

終った〜と書きましたが、実はこのお話には後日談があります。
カズがシュンに送った「10の質問」のカズなりの答えを話すというエピソードなのですが、これは、誰と遙が魂結びしたのかによっても変わってきますし、余韻を楽しむためには、それぞれゲームをプレイした人たち自身で読むことをオススメしますので、ここで書くことはありません。


さて。
この「送り雛は瑠璃色の」でございますが、普通のゲームブックとは違い、正解の選択肢というものはありません。
どこに行って何をしても構わないわけです。
それこそ、すべての出来事から目を瞑って知らないふりをするのもありです。
もちろん、目的の場所を見極めるための答えを教えてくれる場所もありますが、絶対にそこへ行くのが正しいのかというと、そういうわけでもないのです。
途中、魂結びという言葉が出てきますが、誰と遙の魂を結びつけるかというのも、主人公の自由。
どのEDが正しいというのではなく、何回も繰り返し遊んで、全てのEDを見てみるのがベストかなと。
実際、こちらのブログに上げたのは1周だけですが、本当は、何周もしてます。


これからプレイする方へ。
「送り雛は瑠璃色の」は、少し独特なゲームブックです。
文体もそうですが、内容も1周ではわかりにくい仕様になっています。
和歌が出てきたり、登場人物が難しいことを言っていたり、謎解きが難しかったりするので、まどろっこしいのが嫌いな方や、じっくり何度も読み返すのが面倒な人には向いていないと思います。
それでも、興味があるなあという人がいらっしゃったら、是非遊んでみてほしいです。


あ〜、しかし、こんなヘタレな文章で、興味を持ってくれる人はいないような。
自分にもう少し文才があったらいいのになあと、リプレイ日記読み返して思ったのは内緒です(笑)


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2005.12.21 Wednesday 15:21 | comments(2) | trackbacks(0) | 

送り雛は瑠璃色の(創土社版) 終章

僕の名前は、式部瞬。
確かに存在したはずのクラスメートのハルカが、人だったのか人形だったのか、僕には未だにわからない。
だが、カズは、ハルカが最後の瞬間、「とても大きな魔法」を行なったような気がするという。
その行為はきっととても尊いものだったのだろうと。
そして、僕自身の魔法はきっと―



やっと終章に到着〜。


ハルカについて、謎はたくさん残ったことになるわけで、そのことについて、シュンとカズは話をします。
ハルカが人間だったのか、人形だったのか。
そして、最後の瞬間、彼女はどちらを選びたかったのか。
結局、最後には彼女自身の人形としての性が出て、穢れと一緒に流されていく道を選択したわけですが。


カズは言っています。
人は一生に一度、究極の魔法―真の魔法―というのを使うことが出来るのではないかと。
ハルカも、その大きな魔法を行なったのではないかと。
それは、きっとハルカが人形の本性であろうがなかろうが、とても尊いものだったのではないかと。
この会話を最後に、カズは瞬に手紙を残し、失踪してしまいました。
手紙に書かれていたのは、10の質問とシュン自身が行なう魔法についてのヒント。
そう。
まだ、シュン自身がやらなければならないことが残っていたのです。
人が一生に一度だけ行なうことが出来る魔法。
それは、瞬が遙と約束したこと―魂結びのことだと思われます。
いつか遙の胸の中から出てきた「南蛮煙管」が咲く場所を探し、その花を一輪摘み取り、遙自身の胸の一輪とあわせ、和紙に挟んで「飛鳥の形」に引き結び、新砂海岸から空に飛ばしました。
瞬の魂を分け与え、遙に魂を結ぶために。
大白鷺とともに消えていった歌は、きっとハルカに届いたと思います。


いつか再び「遙」と「瞬」が出会えることに願いをこめつつ―。


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2005.12.21 Wednesday 15:00 | comments(0) | trackbacks(0) | 

送り雛は瑠璃色の(創土社版) 12

それは、まるで夢の中の出来事のようだった。
川の流れとともに、双頭の大竜蛇がやってくるのが見えた。
そして、最後の戦いがはじまる―



最後の戦いです。
呪文を唱えながら、和紙を飛鳥の形に引き結んで空に投げます。
雨に打たれても落ちることなく大白鷺は飛翔し、それに答えるように稲妻が走り、瞬は、何かに打たれたように橋の上に崩れ落ちました。
そして、目が覚めた時見えたのは、強大な二つの鎌首をもたげ、口の牙の間にたくさんの幼児をくわえた竜蛇。
側にいたハルカが両手にたくさんの人間をかかえ、まにあうかしら、と言ったような気がしました。
そこに現れたのはカズ。
ですが、紫色の炎を噴き上げ、紫色の光を放つ菖蒲剣を持つ彼は、まるで別人のようでした。
迫りくる大竜蛇に向かって、刀を持って突っ込んでいきます。
たちまち竜はカズをくわえ、のみこんでしまいました。その瞬間、カズがこちらを向いて「オレを供犠にしてくれ」と言ったような気がします。
瞬の中に、激しい怒りが湧き起こり、気がつくと、何か叫んでいました。
大白鷺を空に投げますが、橋の上には鎌首をあげて牙をむき出した双頭竜がまだいます。
もうだめだろうか。
そう思ったとき、どこからか現れた八人の人影が全力で竜蛇に正面からぶつかり襲い掛かりました。
身動きが取れなくなった竜は、それでも渾身の力で前へ進もうとしているようです。

―ついに来たわ

ハルカが見ているのは、大海から女坂川をさかのぼってやってくる、一体の牛頭人身の何か。
それは大剣を振りかざし、竜蛇を打ち据えました。
なすすべもなく、雷鳴とともに、竜蛇は橋をも巻き込んで崩れ去ってしまいました。
目の前で、ハルカが持っていた人形と共に渦巻く水の中に飲まれていくのが見えましたが、どうすることもできませんでした。


そのあと、どうやって家まで帰ったのか瞬は覚えていません。
翌日は豪雨が嘘のように晴れ渡っていましたが、町の被害はすさまじく行方不明者も多数出たようでした。
カズやハルカもその中に入っていましたが、カズの方はひょっこりと自宅に帰ってきて無事でした。そして、死んでいたはずのレイカも、集中治療室で奇跡的に意識を取り戻してこちらも無事。
ただ、結局水に飲まれて消えてしまったハルカは見つかることはありませんでした。
いろいろな謎―カズやレイカ、シュンに関する過去の記憶や、豪雨の最中傷ついたはずのカズの目が治っていたのは何故か、ハルカは人ではなかったのか等、解明していないことはたくさんありますが、とりあえず全ての事件は終りました。


―終章へ


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2005.12.21 Wednesday 14:31 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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